トレーニングメニューを決める時に考えていること

トレーニングを考える時

「〇〇の目標達成をするために何をやればいいでしょうか?」

このような質問を聞かれることは少なくありません。おそらくある特定の目標、例えばマラソン完走のためのメニュー、5kmで〇〇分を切るためのメニュー、そのような具体的なメニューを提示してもらうことを望まれているかと思います。

しかし相手の状態がまだ分かっていない時点でこのような具体的質問に答えるのは難しいです。

というのも練習のメニューというのは最初に決めているわけではないからです。

1つの練習で考えるなら、まずは今日どんな刺激、負荷を身体にかけたいのかを考えます。この点が練習の目的となる部分であり、ベースは練習を行う人の現在の状態です。

つまりどんなトレーニング負荷が必要なのかを考える上で、まずはランナーの現在の状態(スピード、スタミナ、メンタル、ペース配分など)を知る必要があります。

そのため最初の1ヶ月程度はトレーニング刺激をかけて速くなることが目的ではなく(もちろん初心者であればどんな刺激も成長の余地があるため速くなると思います)、相手の状態、レベルを色んな角度から見ることから始めます。

例えばこれからマラソン完走に向けて練習を始めたい人がいます。20-30分のジョギングを定期的に行っているとして、しかしどのくらいのペースで走ってるなど具体的なことは分かりません。

まず分かるのは20-30は続けて走ることができるということです。ここでお互いのジョギングの定義にズレがあるといけないので、会話ができるペースでのランニングをジョギングとするなど認識を一致させておく必要があると思います。

すると初回の練習の目的はジョギングのペース、少し苦しくなるペース(会話を続けられない)はどのくらいの速さで、またそのペースをどのくらいの長さ維持できるのかを知ることになります。

走り慣れている人でも色んなタイプの練習を行い、どのように対応できるかを確認する必要があります。

初回の練習の目的が決まったら、次にどのようにその目的を達成するかを考えます。

まずは30分間は走れるということなので15分間ほどいつものジョギングのペースで走ってもらう。次にそのペースより速いペースを組み込む。ただ走り慣れていないペースの場合、本人もどのくらいペースを維持できるか分からないので一回での疾走が長くなりすぎないように、しかし走る時間が短すぎると判断が難しくなるなどの問題点もあります。

また走る路面、天候、気温なども影響します。いつもと同じペースでも芝生の上、暑い、風が強い日などは負荷は高くなります。また私生活の影響もあるので相手の疲労度も伺わないといけません。

目的をはっきりさせ、どのように達成するかを考えた結果としてメニューを決めます。

その日になるまで不確定要素があることから、直前の変更、また練習途中での変更は珍しくありません。ただメニューの変更があっても、目的がズレないようにすることは大切です。

この点を考えた上で以下のメニューができました。

15分ジョギング+3分走(やや苦しいペース)×3本+15秒ダッシュ×3本

理由としては以下の点です。

1.普段走っている距離の半分、15分ジョギングで会話のできるペースを確認する

2.続けて走った場合ペース配分を間違えると極端な失速の恐れがあるのでインターバルを用いて区切る。一定ペースを心がけてもらう。

やや苦しいペースの基準を確認するだけでなく、性格的な部分、前半からまたは余裕があれば途中から飛ばしすぎてしまう、恐れて自重しすぎてしまうなどの傾向も伺える。

3.どのくらいスピードを出せるのか、スピードを出した時に極端なフォームの崩れがないかを確認できる。

どの目的が達成できて、どの目的が達成できなかったの基準となるので目的の明確化はすごく大切です。

目的をしっかりしておけば練習からフィードバックを得て、次の練習の目的、その際に考慮する点が分かってきます。

目的を明確にして、どのように達成するかを考え、メニューを決める。

このようなシンプルなルールで練習メニューを考えています。

毎回練習前に全てを伝えるわけでありませんが、「今日はこのような負荷をかけたいので、メニューをやります」などのように伝えています。

練習メニューは目的をどう達成するかの結果が形式として現れただけで、そのメニュー自体に特別な意味があるわけではありません。

練習をやる本人が目的を理解し、メニューとのつながりを感じた時に意欲、意義が生まれると思っています。

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