指導する選手がMINATOシティハーフマラソン ユースランに参加しました。
ランニングと一言に言ってもレースの種類は大きく主にロード、トラック、クロスカントリーに分けられます。
大人になってランニングを始め、参加するとなると一般的にはマラソン大会のロードレースがイメージがつきやすいと思います。
陸上部に所属したことのある人ならトラックレースを最初に経験するかもしれません。
日本ではあまり主流ではないのですが、クロスカントリー(主に芝生や砂利などの起伏に富んだ不整地)もランニングレースの一つです。
基本的に走ることには変わりないのですが、それぞれのレースで特徴があり、同じ距離だとしても好き嫌い、得意苦手が分かれたりします。
例えば5kmを例にとると、トラックレースなら12周半周る必要があります。10kmなら25周と、周回数を聞いただけで嫌になりそうですね。
これがロードレースやクロスカントリーなら(こちらも周回のケースもあります)、どこからどこまでなどと、あるポイントからポイントへの移動、または折り返しのコースとなることが多いです。
レースが変わればコースも変わる、同じ距離を違った風景の中で走ることができるので色んなロードレースの大会に出てみたいと思う人もいるでしょう。
またどこにアップダウンがあるのか、で戦略の立て方も変わってきます。
また集団が1列、2列に縦長に並んで走るのがトラック、横に広がるのがロードやクロスカントリーレースの特徴でもあります。
中学で走った5kmのロードレースはあまり長く感じなかったのに、高校生になって走ったトラックの5000mはすごく長く感じたことを思い出します。
今でもハーフマラソンやマラソンを走るのに、トラックの10000mを走ろうという気にはなれません。
ただ集団の流れに乗った時のスピード感はやはりトラック特有のものがあり、同じ距離でも日本記録、世界記録にしてもロードよりトラックの方が早いのも事実です。
さて長々とした説明になってしまいましたが、上記のこともあり、トラック、クロスカントリーを経験してきた彼女に初めてのロードレースを経験してもらうことが第一の目的でした。
ユースランは今大会から正式種目となったようです。中学生の部など部門が分かれていたこともありこの大会を選びました。
どの種目でもランニングを経験している人なら、最初のうちは記録がどんどん伸びていくのを経験すると思います。
このままいつまでも伸び続けるのではと錯覚する起きるくらい最初のうちは記録の更新が楽しいものです。しかし、当然と言えば当然ですが、そんなことはなく、練習を工夫しながらしばらく記録を更新できない時期というのを乗り越えていかないといけません。
ただ競技の意味でも記録だけが自己成長を測るものでもないので、記録は忘れて順位や勝負を意識する、初めての種目に出てみるなど対応はいくらでもあります。
スタート地点への選手の移動が始まると来ていた上着を受け取り、コースや出ている選手のレベルもよく分からないので、役にたつか分からないアドバイスを少し送って、見送ります。
指導、応援側からするとトラックレースはずっと様子を見ていられるのに対し、ロードレースではスタートを送り出したら途中で応援、またはゴールで待つくらいしかできず、ある意味こちらもドキドキです。
約200m地点くらいで応援、無事にスタートを切れたことを確認すると、東京タワー真下のゴール地点へ移動します。
移動中も何分経過のを確認しながら、もう1km過ぎた頃かな、など想像しながらです。
ゴール地点にはスタートから10分弱で移動。するとすぐに高校生男子のトップが帰ってきました。
ゴール手前には急な坂が待ち構えていて、坂の中間あたりに待機しました。
男子の選手がぞろぞろとゴールする中、女子の選手を探します。
1人の女子選手が帰ってきました。ここからはこちらのドキドキ感も高まり、今か今かと待ちます。すると数人の男子選手に囲まれて帰ってきました。
残りは200mもないくらいですが、最後にカーブがあり、ゴール地点からは直前まで見えません。そのためラストスパートの距離感を間違えやすいこともあります。
「あと100m。上げろ」と実際にはもう少し長いと思いつつ、わざと短めに伝えてラストスパートを促します。
さて先頭の女子が高校生か中学生かで順位が変わってきます。
すぐにゴール地点に向かうと、首から中学生1位のプレートをかけていました。
タイムはもう少しかなと思いましたが、約3.6kmと距離そもそもが曖昧なので、優勝できたことが何よりでした。
表彰式は思った以上に盛大で、テレビの取材も受けることに。「どんな返答をするのかな」お母さんと一緒に少し離れた位置から見守ります。
インタビュー後には2、3位の選手が挨拶に来てくれて、
「今何年生ですか?」
「中3です」
「あっ一緒だ」
「また来年も一緒に走れるといいですね」
と言葉を交わしてました。
レースに出る中で前後で競り合った選手と次第に顔見知りになっていた学生時代の記憶が蘇ってきます。
レースを通して人との繋がり、自己成長に繋がってくれることが、競走の一番いいところかもしれません。
選手自身色んな経験ができ、そして私自身も色んな経験をさせてもらいました。
選手としてレースに、指導者としてレースに、応援としてレースに、参加の形も色々あるものだなと感じます


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