ランニングでの故障、成果〜色んな要因を考える

ダンスや体操、新体操などをバックグランドに持つ方々のランニング、コンディショニング指導依頼を受けることがあります。この手の種目は全然詳しくないので語れることはないのですが、イメージとしては身体の軸が整い、バランスが良く、柔軟性の優れているような点があります。

ランニングの怪我予防の観点でよくバランスや柔軟性、筋力などが挙げられますが全てを兼ね備えているようにも思えます。
ただ予想に反して、依頼が来た時にはすでにランニングによる怪我を抱えているなど、何かしらの問題がありランニングを思うように継続ができない悩みを抱えていることが珍しくありません。

どんな方でも最初は基礎的なウォームアップのストレッチ、バランス運動を教えますが、この点に関しては確かに共通して安定している、関節の可動域も広く動かせます。
ただ目的の姿勢を安定しているように取れても、実際にどこかの部位を必要以上に使って、別のどこかにうまく力が入っていないことが見受けられます。

競技特性というものがあり、その運動特有の動きが存在します。練習を長年積み重ねるほど身体は専門種目に特化していき、基礎的な運動(一見競技とは何も関係なさそうな動き)を疎かにしていると万能のように思えるアスリートの身体は意外にもある負荷に対して脆かったりもします。
長距離ランナーであれば低出力、長時間、前に進むという動きが繰り返され、横の動き、瞬発的な動きなどが疎かになりやすいことがあります。

現在指導する人にブレイキングダンス、コンテポラリーダンサーの方、新体操を長年やってきた方がいらっしゃいます。この2人の共通点としては、関節の可動域がかなり動く、片足立ちなどバランスが上手な点です。
走りになると、接地の際に足首を柔く使おうとするような傾向があります。
もしかするとこれらの競技では関節を柔軟に動かして力を受け流すような特性があるのかもしれません。ただランニングでは足が地面についてる時に力を加える。加えた分の力が地面から跳ね返り、その力を受けて次の動作に繋げる。
そのためには関節を(特に足首、膝、股関節)適度に固めることが必要になります。

ある運動には大切な動きが別の運動では悪い方に働いてしまうこともあると思います。
逆に長距離走を長くやってきた人がダンスをやろうとするとぎこちなさがより目立つのだと思います。ちなみに私は一度知人のヒップホップダンスの体験に行きましたが、恥ずかしくなる悲惨さでした。

一見シンプルな走るという動きですが色んな要素が組み合わさっていています。
もちろん柔軟性や関節の可動域を広くする、バランスを整えることは予防としては大切です。ただここさえしっかりすれば怪我をしないのかというとそうでもありません。
バランスはイマイチ、身体も硬いのに月間1000km近く走りながら年間通して大きな怪我なく走る選手もいます。

合わないシューズのせいで故障した、柔軟性不足、バランスが悪くて故障した、あの練習をやったせいで、などどうしても怪我やうまくいかない出来事に直面すると一つの要素と結果を一対一の関係で考えてしまいがちです。
マラソンのレースで失速した時にジェルを取れなかった、タイミングが悪かったなどと考える人もいます。
もちろん一つの要因ではあるかもしれませんが、その逆のシチュエーションを考えてみるとそれだけではないかもしれません。
ジェルを取れなかったのが失速の原因ならジェルを取ったレースでは失速したことがないのか。合わないシューズで足が痛くなったならシューズを合うシューズに変えると痛みは消えるのか。
身体が硬い人は怪我がしやすいなら柔らかい人に怪我をする人はいないのか。
「こいつのせいだ」、と思った時には「こいつがあるのにもかかわず」の人が存在しないかを考えてみると物事は一つのシンプルな点だけで起きているわけではないのがわかります。

色んなタイプの人とじっくり関わることで偏りそうな自分の見解の予防になってくれています。

マラソンで〇〇以降失速してしまうんです。
〇〇の怪我に頻繁に悩んでます。
何が原因ですか?

このような質問を受けることは珍しくなく、これだという答えを言ってもらえる方が安心するのもわかります。
もちろん大まかな要因をまずは当てはめて考えることは大事ですが、「バランスを整えることが全てではないけどまずはここから」のようなマインドで一つずつ改善できることを取り組むことが大切です。
これだを伝えるにではなく、まずはここからを提案して改善、上達の道に導くことが私の役割かなと思います。

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