MDC 2026の公認800m、1500mに3人の選手が参加しました。
去年の結果を見ても、3人にとってはレベルの高いレースだなとは思いました。それでも上のレベルのレースを体験してもらいたいと参加させることに。
インターナショナルスクールに属するみんなは、中体連や高体連のレースには参加できません。3、4月の約2か月間はインターナショナルスクールのトラックシーズンとなるため、レースの経験は積んでいます。その中では上位に入っているので、自分の周りの中では「ある程度速い」という認識が、多かれ少なかれあると思います。
「小さな自信を積み重ねて、時に大きな壁に挑戦してみる」
いいタイミングなのかなとも思いました。
この壁にぶつかる時にどんな反応をするのかは、個人の性格や、それまでの経験が大きく影響します。
自分のペースを保って走る。これは大切です。しかし、時にレースの状況に応じて、力量を超えていると分かっていてもチャレンジして集団についていくことが必要な時もあります。
3人にとって今回は、そんな大きな壁への挑戦でした。
「今回はスタートからペースが速いからね。いつもみたいなスタートだと置いていかれるよ」
そんな声掛けはしつつも、どう対応するかはレースが始まってみないと分かりません。
まずは800mに一人。
集団には置いていかれましたが、1周目はこれまでのレースよりも7秒速く入りました。その分、後半に失速してしまいました。ただ難しいレースの中、最下位ではありましたが自己ベストを更新。
自己ベストの喜び、最下位の悔しさ、それよりもちょっと圧倒された印象がありました。
次は1500mに二人。
こちらも1周目から経験したことのないペースでスタートします。2周目まではハイペースの流れに乗り、二人とも大幅に自己ベストを更新するのではないかと期待もしましたが、やはりそのツケは後半に回ってきて失速。
自己ベストには届きませんでした。
最下位になった一人は、レースが終わり少し経ってから、悔しさが込み上げてきたのか涙が止まりません。多くの言い訳が口から飛び出してきました。
その言い訳が取り除かれてもどうしようもない差だということは、本人も分かっていると思います。ただ、初めて経験する大きな壁から目を背けたかったのかもしれません。
それでも最後には「自主練も始める」と自ら口にした時は驚きました。
悔しいと感じられるのは、ぶつかった壁と向き合おうとしている時なのかもしれません。
自分より速い人と走ったからといって、その壁を感じるわけではありません。
マラソン大会でいえば、トップの選手と市民ランナーが一緒に走ることもできるわけなので。そもそも、そこは別のレースという心境が普通です。今さら差が分かったところで驚きではありません。
学校の持久走やマラソン大会でも、最下位になった子が必ずしも落ち込むわけではありません。むしろ別に気にしていないことも多いでしょう。
壁にぶつかるというのは、そこに意識が向いていないと感じないものだと思います。
そう考えると、私自身が初めて大きな壁にぶつかった時のことを思い出します。
中学3年生の時に佐賀県大会の3000mで優勝して、九州大会に進みました。8県から上位2選手が参加する16名のレースです。
結果は11位。優勝した選手からは半周以上の差をつけられてしまいました。目標だった6位入賞とも大きな差がありました。
レース後に両親と
「県外に出るとこんなもんなんだね」
と口にしたのを覚えています。
時間が経ってから、勝負できなかった悔しさが込み上げてきました。
実は中学1年生の時にも1500mで九州大会に参加しています。この時は後ろから2番目でしたが、悔しさなどはありませんでした。そこに出られただけで十分。優勝した選手を「すごいな」と思ったくらいで、その差を埋めたいというところまでは意識が向いていませんでした。
彼女たちのレースを見て、ふと自分の中学時代を思い出しました。
ローカルなレベルで小さな自信をつける。そして時に、その枠組みから飛び出して上のレベルにぶつかってみる。
ぶつかった時に、その壁を越えてみたいと思えることがスポーツの楽しさの一つかもしれません。
必ずしも上位に入る必要はなく、傍から見たら分からないような局地的な競走というのは行われているものです。その中で悔しさや喜びを経験し、成長していく。
そんな楽しさを陸上競技から学んでもらえるように、私自身も考えていかないといけません。
そんなことを感じたMDC 2026でした。

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